誤差を想定しない行動。または常識のずれ。

小売業で働いていた時のことです。

交代で夕食を取ることになり、一人持ち時間30分ずつで食事をとることになりました。フードコートで注文して、きっちり30分で食事を終わらせると、私は持ち場に戻って仕事を始めました。

しばらくすると約束を交わした同僚が泣き笑いの顔をしてやってきて

「食事が終わったら知らせないとダメだよ」と言われました。そして直属の上司からも、食事が終わったら知らせなくてはいけないと注意されました。

私は、「30分と決められた時間があるのだから、30分過ぎたら食事に行けばいいんじゃないか」と思っていました。

おそらく定型発達者の同僚は「連絡が来ないのは、食事が遅れて時間が押している」と感じたのだと思います。これは、当時は想像できませんでした。

つまり、私は調理時間の遅れによる誤差というものを全く考慮に入れてなかったのです。一方、定型発達者の同僚は、なかなか来ない私に困っていたのだと思われます。

以後は、食べ終えたら報告するようになりましたが、万事この調子で定型発達者の同僚との齟齬が生じます。それも、どのシーンで発生するかがわかりません。

別の話ですが、夕食を買いにベーカリーへ行き、会計の時に自分の身分が社員だったので、一般のお客様に譲っていたら、ものすごく時間が経過してしまい、夕食時間が減ってしまったことが何度かありました。この辺も融通のきかなさが前面に出たのだと思います。

本当に、誰もつまずかない様な事で、失敗をしてしまうのですから本人もですが、周囲も大変です。

丁寧な指導をするとしても限度がありますし、小学生に一から教えるような感じでやらないと、どこでミスをやらかしてしまうか見当もつきません。

些細なことで、周囲とトラブルになるので、前途多難です。